少し前には桜が咲いていましたのにいつの間にか季節は移ろい、初夏のよそおいです。街中の木々の葉は日ごとに大きく茂り緑色が濃くなり生命力の力強さと勢いを感じます。そんな「季節の移ろい」を生活の中で感じられるひとつがいけばなです。いけばなでは季節感をとても大切にしています。
近頃では、花の栽培農家さんのご苦労や流通が良くなったことで、北国札幌に暮らす私たちも一年中カラフルなお花を手に入れることができます。しかし、そんな中でもこの季節ならではの植物に出合うことがあります。そんな時は、何故かとても嬉しく思います。
花材①/ラクスパー カーネーション ゴッドセフィアナ
花材②/ラクスパー 向日葵(ヒマワリ) ゴッドセフィアナ
葉物を使用して『かたむけるかたち』または『ひらくかたち』のお稽古です。
みずみずしい色合いの大きな葉は大谷渡り(オオタニワタリ)という植物です。お花屋さんやいけばなで使用する時は単にタニワタリと呼んでいます。一枚一枚の葉をよく見てみると、僅かなカーブがあり、さらに左右にねじれがあるものなどそれぞれの葉に個性が有り表情が違うことが分かります。その個性や特長を活かして葉の位置や役割を考えながらいけてみました。
花材/谷渡り(タニワタリ) ベロニカ スプレーカーネーション