季節感のある花材を使って瓶にいけるお稽古です。桜(サクラ)と菜の花(ナノハナ)は日本人なら誰でも知っている春の代名詞のような植物です。昭和生まれの人ならおそらく何度も歌ったことがある小学唱歌に出てくる花です。花材の説明をしながらそのことを思い出し、童謡『おぼろ月夜』を少し唄ってみましたら小学生も中学生もこどもたちは誰も知らないとのこと。驚きました。
この日は、模擬試験が行われるとのことで高校生は全滅。また、悪い風邪も流行っているので参加者が少なめでしたが、その分マンツーマンレッスンで内容濃くお稽古できました。
花材/桜(サクラ) 菜の花
新年初めてのお稽古は、盛花(もりばな)です。
以前、いけばなの歴史についてお話をしたことがありますが、覚えていますか? 壺(つぼ)やビンのような形の花器にいけるのは『瓶花(へいか)』で、お盆とかお皿のような浅い水盤にいけるのが『盛花(もりばな)』でしたね。さて、いけばなには色々な表現の仕方がありますが、盛花は少し難しい言葉になりますが「小原流いけばなの真髄(しんずい)」と言われています。それだけ大切に育ててきた花型ということです。この日、初めて盛花に臨んだ人もいましたが、とても上手にできたと思います。これからも季節ごとに変化する花材を使って繰り返しお稽古していきたい花型です。
花材①/赤芽柳(アカメヤナギ) バラ
花材②/赤芽柳(アカメヤナギ) カーネーション レザーファン
「変な臭いする~!」「エェー、いい匂いだよ!」「どれ?」「ホントだ、匂うね」
教室での会話です。匂いの正体は、檜葉(ヒバ)。ヒバは杉(スギ)や檜(ヒノキ)と同じような仲間で、個性的な芳しい香りがあります。アスナロという木の名前を聞いたことがありますか? ヒバの別称がアスナロです。アスナロとは『明日は檜(ヒノキ)になろう』という意味があると聞いたことがあります。それで何となくヒノキの方が上等でヒバは下位と考えがちですが、実は、そのようなことはなく優劣はつけられないと知りました。どちらも殺菌作用があるヒノキチオールという成分(匂いに)が含まれていて、良い効果が期待できるようです。
花材/ユーカリ ヒバ カーネーション ヒペリカム スターチス
乾燥素材の巻き蔓(マキヅル)を、実際に手に取りイメージを膨らませてみました。枯れものはこれまであまり使用したことがありません。こどもたちの反応はどうかなァと考えていましたが、すぐに眼差しが変わり興味津々に食いついてくれました。そして、想像力が旺盛です。枯れものはそのままではタメが効きませんがスプレーで霧吹きしたりサッと水にくぐらせ湿り気をつけることで直線的な枝にフリをつけることができます。クルクルとらせん状になっている枝をビョヨ~ンと伸ばして面白い形にしたり、丸めたりと楽しくいけることができたと思います。
花材①/晒し巻き蔓 カーネーション ピットスポラム
花材②/晒し巻き蔓 カーネーション カラテア・ホワイトスター
補 材/晒しほうき草 ラグラス フローレンティナ(麦ナデシコ)<補材は全て乾燥素材です>
10月20日(日曜日)に開催された『白石東地区センター第22回文化祭』に作品を出品しました。いけばな以外の作品展示は、書道、絵てがみ、パッチワーク、折り紙、美術など盛りだくさんです。ホールや談話コーナーなどには手作りの作品が並び、多くの方々で賑わいました。来場したこどもたちには綿あめやポップコーンが振る舞われ、喫茶コーナーではコーヒーなどの飲み物とお菓子が無料で用意されています。さらに、ステージ発表は楽しく拝見させていただきました。地域の役員の方々をはじめとする皆様に感謝です。
さて、いけばな作品は、生きものですし、ひとつひとつの枝葉は決して同じものはなく、練習通りや思い通りにならないことが多いと思います。が、それ故に変化があり美しいとも感じます。それぞれの思いは伝わります。みんな、よく頑張りました。
秋といえば、いけばなでは実ものの季節です。この時期ならではの花材は唐辛子(トウガラシ)です。赤やオレンジの色合いがカラフルで楽しさを感じます。おおらかに伸びやかに「ひらくかたち」のお稽古です。
花材①/ゴッドセフィアナ ガーベラ クジャク草
花材②/唐辛子 ヒマワリ ゴッドセフィアナ
花材③/石化エニシダ ヒマワリ ゴッドセフィアナ
盛夏の季節ならではの『水もの』の取り合せです。蓮は、もともと水揚げの悪い花材ですから、いける前にしっかりとした水揚げを行うことがとても重要です。ここでは、ポンプを使用して茎の中に水を入れる体験です。二人一組となり、注射をするように慎重に水を注入します。初めてのことですからテーブルの上をビショビショにしながら、結構楽しそうに行いました。
茎が強く曲がっている花や葉があり、バランスをとるのが難しい面もありましたが、いけ上がった作品を観るとなかなかの景観です。
実際に蓮を栽培している様子を撮ってきましたので良かったら見てください。
また、同じような環境に咲く睡蓮(スイレン)と蓮(ハス)の違いについてもお話ししました。
花材/蓮(ハス)<花 開き葉 巻き葉>
いけばな経験のある大人がいけても難しいカキツバタを、あえてこどもたちにも体験してもらいたいと準備しました。お花屋さんにも協力してもらい運よく手配できました。いけばなの世界では、カキツバタは『水もの』。そこで、まずは『水もの』『山もの』『野のもの』『里のもの』などの呼び名や分類を説明しました。
それから、カキツバタ独自の古典から伝承されている挿法で葉組をし、丁寧にいけてみました。葉組という手法があることを知ることが大きな狙いですから、作品の完成度は全く問いません。けれども、驚きました。なかなかの佇まいです! 存在感です。これが、本来植物が持っている力を借りて、ということの一端なのでしょうか?
花材/燕子花(カキツバタ) 河原撫子(カワラナデシコ) キョウカノコ
家の周りの片隅でゴザを敷いてままごとをして遊ぶ。そんなこどもたちの姿を見かけなくなって久しい。あれは昭和の時代のことだったのかと思いを巡らせています。タンポポの茎を玩具のナイフで切り、つゆ草の色素を水に溶きスープを作ったのは遠い思い出の中のことです。それでも、そんな遊びの中で植物から得た知恵や学んだことがある様な気がしています。
けれども、テレビゲームもスマホも無かった時代のことですから、今となっては野原で自分だけの秘密基地を作って遊ぶなどというのんびりとした生活は望めないことと思います。
ということで、ほんの少しでも野の花に触れてもらいたいと、砥草(トクサ)を用意しました。今回、こどもたちがどんな風にイメージを広げるのか、関心を示すのか、私たちも楽しみながらの教室でした。
花材/ゴッドセフィアナ 向日葵(ヒマワリ) スプレーカーネーション 霞草(カスミソウ) 砥草(トクサ)
『母の日』に心からの「ありがとう!」の気持ちを込めてお花をいけてみました。
毎年、5月の第2日曜日は母の日です。お母さんへ日ごろの感謝の気持ちを伝える日と言われています。真っ赤なカーネーションは、母の日をイメージする花ですが、カーネーションは様々な色がありとても身近な素敵な花です。花言葉を調べてみました。カーネーションは「愛・魅惑・魅力・無垢で深い愛」だそうです。さらに、色ごとに花言葉があるようです。例えば、赤いカーネーションは「母への愛」という具合です。調べてみると面白いですよ。
みんなで名前を知っている春に咲く花を挙げてみました。いかにも「春」を感じる季節限定の花というと、チューリップ、タンポポ、サクラ、ウメ・・・・・・。他にもたくさんあるのですが、名前が出たのはこのくらいでした。そうだよね。急に問われてすぐに思い浮かぶのはこれくらいですよね。公園やお庭などでは色々な花がこれからいっぱい咲き始めますので気をつけて見てみてね。
さて、この日の花型は『たてるかたち』と『直立型』です。直立型の金葉コデマリは脇枝を利用して切り分けねばなりませんので、難しく感じたと思います。みんな、よく頑張りましたね。
花材①/リアトリス ガーベラ スターチス
花材②/金葉こでまり ガーベラ スターチス
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