2017.12.6~12.30
12/20、雪の季節となり足元の悪い中、Yoshiさんが久しぶりに訪ねてくださいました。9月以来です。今年最後のいけばなをと、思い切って出かけて来てくれたようです。せっかくなのでクリスマスのお花にしました。私が手渡す珊瑚水木とバラを見て、そのYoshiさんのひと言は「あぁーッ! これならシャッシャッとしてスーッとしたらグッとなるね!」 そして、手踊りのような身振りをしながらニヤリ。その表情がいかにも『ヘイ、一丁上がり!』『もう、いけあがったんだ』というような歯切れの良い調子に聞こえたので、私もつられて何だか嬉しくなりAtsukoさんと一緒に笑ってしまいました。よく考えたら何のことやらとも思えますが、その時はしっかりと意味が通じて、したいことが良く分かりました。日本語の擬音語・擬態語の力は改めて凄いなぁと思い、楽しくなりました。
12/30、ようやくお仕事が休みになったKayoさんがお花と花器を持って訪ねてくれました。年末の慌ただしい中、こうしてお正月の飾り花をいけ、新しい年を迎えられるというのは本当に幸せなことです。
明日は大みそか。今年も色々とお世話になりありがとうございました。みなさま、どうぞ良い年をお迎えください。
2017.11.15
この日話題になったのは「頭(心?)を空っぽにして花をいける」ということです。日々の生活の中では絶えず頭を働かせあれやこれや色々なことを考えているわけですが、ここではそれらのことを、取りあえずちょっと横に置いておいて、いけることに集中します。なかなか思い通りにいかないこともありますが、目の前の植物の魅力を引き出すことに努めます。
写真では真剣な表情の二人ですが、いけ終えた後のおしゃべりでは満面の笑みでした。
2017.10.19 & 10.25
10/5~10、札幌駅前の東急百貨店にて開催された『札幌支部花展』のお当番をしました。毎日多くの来場者をお迎えし、緊張の連日でした。が、会場入口横の受付や出口で色々な方が私に声をかけてくださいました。中には丁寧に作品の感想などを述べてくださる方もいて、本当に温かな気持ちになりました。
来場されたお客様の作品を鑑賞する横顔は、どなたもいい表情をされていて、本来、植物が持っているたくさんのエネルギーや力の凄さを改めて感じました。一輪の花でお腹は満たされないかもしれないけれど、心は満たされることがあるのでは・・・と、実感しました。
2017.9.21 & 10.6
Chiakiさんは、4回目のお稽古。旭葉蘭(アサヒハラン)を主材に「かたむけるかたち」です。大きな葉の面をどう見せるか、単調にならないように葉のうねりや動きにも気をつけながらいけました。
これから出合うであろうたくさんの植物の感触や質感、イメージなどフレッシュな感覚を忘れずに、大切に育てていってくださいね。
2017.9.15
Yoshiさんが3ケ月ぶりに訪ねてくださいました。穏やかなこれまでと変わらぬ笑顔を見て、私も嬉しくなりました。一日一日を大切に過ごす日々の暮らしの中の「いけばな」です。
Chiakiさんは、3回目のお稽古。初めての「かたむけるかたち」。前回お稽古した「たてるかたち」と違い、主枝を傾ける範囲(方向)が広く定められているので『ここぞ!』という場所を、自分で見出さねばなりません。そこが初めての方にとっては難しいところだと思いますが、この花型は室内に飾るととても洒落た雰囲気になりますし、色々と応用が効きますので、しっかりマスターしたいですよね。
まずは、鶏頭とドラセナをいけました。その後、洋種山牛蒡(ヨウシュヤマゴボウ)が随分余りましたので、庭の姫向日葵(ヒメヒマワリ。キクイモモドキが正しい和名のようですが、ヒメヒマワリの方が一般的なので)を足して、もう一作いけてみました。
2017.9.7
Chiakiさん、2回目のお稽古 。 前回の主材は花ものでしたから今回は葉ものにしてみました。表面がツヤツヤとした谷渡りは程よい大きさです。「たてるかたち」をいけましたがバラと谷渡りがバランス良くいけられていてセンスの良さを感じます。
秋明菊(シュウメイギク)は、小さな蕾が次々と開花し可愛らしいのですが、時折うつむいている立ち姿が私には物憂げな様子に思えて気になる花です。名前の通り今の季節の花です。Atsukoさんの自宅のお庭にも咲いているそうです。
2017.7.19
夏休み前にもう一度お稽古したいとKayoさん。そこで、私とタイミングがあったKayoさんのお休みにお稽古。季節感が感じられる取り合わせですが、あしらいのソリダコの花が硬い蕾の状態で、雪柳と同化してしまい写真では二種のように見えます。脇枝をしっかり整理しながらも、雪柳らしさを損なわないように注意しながらいけました。
2017.7.14
3ケ月ぶりのお稽古はKayoさん。お仕事の都合でなかなか来ることが出来なかったようです。せっかくのチャンスなので、花型の復習をかねて「たてるかたち」と「花奏(はなかなで)」をいけてもらいました。花奏は初めてのお稽古で難しかったのですが、自宅に帰ってからの飾る場所や空間の大きさを考えて応用が利くように複数花器を使用してみました。
Atsukoさんがいけた瓶花は、雪柳の軽やかさに着目して枝の線が見えるように注意していけました。左手前の枝の動きが気に入り、それを何とか活かそうと考えたそうです。なるほど、気持ちが前面に出ていると感じました。
2017.6.27
Yoshiさんの横顔は、長年にわたり培ってきた枝を見る目と勘を働かせながらいけ上げる作品をイメージしているかのようです。太陽の光をいっぱい受けようと旺盛に葉を広げた木苺の葉を一枚一枚手で触れて構想を練っています。やがて花器を瓶から盤に切り替えて一気にイメージが沸き上がったようです。できあがった作品は、「今日は嬉しい日だね」と笑顔で話されたYoshiさんの心がそのまま作品になったかのようです。
薄紫の紫陽花は、いよいよ初夏の訪れを感じさせ、シンプルでもしっとりとした風情のある作品にいけあげたいところです。
いけ終えた後、たった今届いたばかりの『挿花』7月号の特集記事を読みながら、懐かしい当時のことにも話が及びました。「あの頃は大変だった」と振り返る戦前、戦中、戦後を生き抜いたYoshiさん。全く戦争を知らない私たちにとっては、こうしてお稽古をしながら日々感性を磨き、できる限り色々な植物に触れてみたいと願うことができる誠に平和な一日です。
2017.6.15
<オオバハゼ 夏菊 鳴子百合>
お花屋さんからは、オオバハゼと聞いていますが、どう見てもあちらこちらの山で私が時折出会うハナヒリノキです。
気になって調べてみましたが、やはりオオバハゼというのは北海道のお花屋さんが使っている通称のようです。札幌近郊の山々でもちょこちょこ見かけるハナヒリノキは有毒ですが、夏ハゼの実は美味しいですよ。
2017.5.19
<芽出しななかまど バラ ドラセナ・サンデリアーナ>
見事なバラです。濃い緑の葉付きが良く、対照的に花びらのやわらかな色合いも素敵です。
2017.5.31
<紅李(ベニスモモ)
スナップドラゴン ドラセナ・サンデリアーナ>
紙包みを開き、初めは風情も何もないと思われるぼうぼうのベニスモモ。もさもさしている枝葉を整理し始めると次第に姿が変わってきます。この変貌が私には理髪店から出て来る好青年に見えてくるからアラ不思議?
2017.5.12
再びYoshiさんが訪ねてくださいました。初めは少し疲れている様子でしたが、次第にご自分のペースを取り戻し、Yoshiさん曰く「今日は静かないけばな」を、実践されました。「こちらに花もありますよ」と声をかける私を手の平で制し、こんな風に現在の自分自身をいけばなで表現できるのは凄いなぁと感じました。
やがて私も山登りができなくなる時が必ず来ます。しかもそれほど遠い先のことではないかもしれません。しかし、そうなった時でもいけばなは続けられると願いたいです。自分らしさやその時々の思いをいけばなで楽しむことができたらと思います。
2017.4.27
「桜前線が北海道に上陸・・・」というニュースが流れたこの日。しかし、吹く風にはまだまだ肌寒さを感じる日よりです。
嬉しいことに珍しい方が訪ねてくださいました。Yoshiさんです。お若い頃には随分いけばなにも親しまれたそうです。こでまりの枝に向かい、「そうかい、あんたはどうしてもこっちへ行きたいのかい?」と、語りかける眼差しは寛容に満ち、ともすれば力ずくでも自分の思い通りにしようとする傲慢さは全くありません。
山あり谷ありの『人生の大先輩』です。来てくださってありがとうございました。
2017.4.13
今週末、いよいよお家元をお迎えして「創立90周年記念特別講習会」と「祝賀会」を開催いたします。この日のために昨年から少しずつ準備してきました。私も精一杯の笑顔とおもてなしの心でみなさまをお迎えしたいと思います。
桜前線は現在、日本列島を北上中ですが、小原流も神戸から札幌の地に伝わり根付いて90年。飛行機も新幹線もなかった時代、どれほど遥か遠くの地であったことでしょう。4月23日、どうか穏やかで気持ちの良いお天気になりますように。
この日の取合せはナナカマドと薊(アザミ)。
いかにも自然感がいっぱいです。
作品を見ていると北国に暮らす私たちとしては、季節を少し先取りして、やがて迎える初夏に想いを馳せます。ただ、我が家では未だ毎日ストーブをつけ、窓から望む山々もまだ真っ白。
2017.4.7
実は、私たちが所属する小原流札幌支部は、今年創立90周年を迎えます。今月下旬には記念の『特別講習会』とお祝いの会が催されます。その準備のため、今は慌ただしい毎日です。そんな準備の最中、自分自身を振り返りました。支部の末席に名を連ね、いつの間にか30年以上が過ぎ去り、この間、本当に多くの先生方から教えを受けました。感謝の気持ちでいっぱいです。
先日、ふと思い出し、我が家の片隅の忘れ去られたような書棚の中に古い記録を見つけました。先生方がお話しされたことで私が印象深く心に残ったものを書き留めたものです。
1988年10月、N先生のお話から・・・
お花にはそれぞれの持ち味に良さがあります。特定の概念にとらわれずに、素直にものに向かい、”自分の美”の感受性を大切に。日ごろから「おやッ?」と思ったことは、その場限りにせず、深く見つめ、継続して掘り下げることが大事です。・・・
いかがですか? 29年経た現在でも色あせることのない言葉は、色々なことを考えさせられます。尽きない好奇心が、ものごとの第一歩なのかと。
2017.3.16 & 17
純白のカラーを見ると、いつも連想するのは水芭蕉(ミズバショウ)です。春先、周囲にまだ残雪がある湿原にひっそりと群生する水芭蕉の姿は心が洗われるような美しさです。ひんやりとした透明感のある空気が、一層清純さをアピールします。花のように見える白い部分は花ではなく仏炎苞(ぶつえんほう)と言い、これは水芭蕉もカラーも同じです。しかし、最近のカラーは、色の種類も豊富でピンク色のものや鮮やかな黄色やグリーン、他にも色々な色が店頭に並び楽しめます。
ところで、最近の札幌は加速度的に雪解けが進み、この調子ならばいつもの年より少し早めに水芭蕉も見られるかもしれませんね。サァ、今年は何処の水芭蕉に会いに行こうかな? 今からとても楽しみです。
2017.3.2
<雪柳 ガーベラ スターチス>
雪柳、ガーベラ、スターチスの取合せ。Atsukoさんと目が合った瞬間、「エェーッ、葉が欲しい!」と合唱です。ここでは茎が丸見えのガーベラに添えるスターチスの扱い方が難しかったです。
2017.3.9
<石化柳 スプレー菊 ドラセナ>
花材の包みを開くなり姿のいい石化柳に目が留まりました。思わずニンマリ、口元が緩みます。手に取って目の前に振りかざし、そのハンサムな横顔にAtsukoさんと二人でうっとりしました。
「サァ、どうする?」「勿論、瓶花でしょう」
2017.2.9
<金葉こでまり 鉄砲百合モンステラ>
金葉こでまりのいかにもやわらかなグリーンがやさし気です。鉄砲百合の清らかなイメージを際立たせているように感じました。
2017.2.9
真冬にしては穏やかな天候です。現在、「さっぽろ雪まつり」が開催され、国の内外から多くの観光客がこの札幌に訪れています。街の中心部では排雪も進み、広くなった歩道を楽しそうに人々が通り過ぎていきます。
一方、ここではいつも通りのお稽古。モンステラの扱いに苦労しながら「ああかな?」「こうかな?」と。
2017.1.20
ホームページのリニューアルのため、教室の様子を写すことにしました。
Atsukoさんのお稽古の様子です。少しはにかみながら瓶にアイリスをいけています。
窓の外は寒く深い雪の中ですが、俗に「春の来ない冬はない」と言います。やがて訪れる明るい春を予感させるようなさわやかないけばなでした。
2017.1.20
<月桃(ゲットウ) カーネーション 雪柳>
大きくてツヤのある月桃の葉が届きました。短くするのはもったいないので、このまま大きく主材にしようと作戦を立てました。
硬い葉ですから容易に格好をつけることはできませんが、素材の持つ存在感や面の力、斑入りの面白さを生かしてみようということに。あしらいに雪柳を使いどっしり感に軽やかな動きを持たせてみました。
「たてるかたち」です。